SSブログ

時間の使い方 [社会]

video_kaigi.pngテレワークやネット会議が急速に普及し、出勤や出張にかける時間は大幅に減った。もし仕事の作業効率がリモートでも変わらないとすれば、移動の時間と疲労がなくなったぶん生産性は向上したはずである。私の実感としては、消化試合的な会議で業務報告を聞くためにわざわざ一日がかりで出張しなくてすむメリットは大きい。一方、国際学会などは海外の研究仲間と絆を深めたり将来の共同研究者を発掘する貴重な機会で、これはセッションが終わった後コーヒーやビール片手の会話が勝負なので、リモートでは限界がある。

出張への移動時間が必ずしも無駄とは言えない。欧米便の機内は約10時間かそれ以上雑音の入らない時間を確保できる貴重な機会で、疲れてずっと寝ていることもあるが、体調が良いと論文が驚くほどはかどる。現地に着くと時差ボケが待っているが、午前2時に目覚めて止む無くホテルの部屋で仕事を始めると、溜まった残務がきれいに片付いてスッキリ日の出を拝むこともある。海外出張に行けない日が続き、ZoomやTeamsは大変便利で常々世話になっているが、深夜のリモート会議が続くと体力的に辛い。欧米のコロナ状況が芳しくないので先が見えないが、海外と安全に往来できるようになる日が待ち遠しい。

国内ではGoToキャンペーン各種がたけなわだが、制度設計が複雑怪奇で難しい。GoToイートのプレミアム付き食事券は販売方法が自治体によってまちまちで、ネットで即完売したとかコールセンターが一向につながらないとか、不満続出のようである。GoToトラベルに上乗せできる東京都の都民割5000円は、予算規模が中途半端なせいで宿泊施設への割当が少なく、メディアがお得感を煽っている割に一部代理店では即日完売が相次いでいるらしい。キャンペーンの恩恵を被る以前に、制度を利用する入り口で四苦八苦する人を大量生産している模様だ。

空いている予約をネットで探し続けたり、つながらない電話をかけ続けるために、どれだけの人が貴重な時間を費やしていることか。鳴り物入りの景気刺激策のはずが、浪費される時間を国内全体で積算したら、それなりの経済損失を生んでいるのではないか?

共通テーマ:日記・雑感