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ヨコヅナイワシ [動物]

silhouette_fish_top_curve.pngJAMSTEC(海洋研究開発機構)が日本南方の深海でヨコヅナイワシの撮影に成功したというニュースを見た(JAMSTECプレスリリース)。そもそもヨコヅナイワシって何者なのか?鰯という漢字が横綱のイメージとあまり結びつかない。

JAMSTECの研究チームがつい最近発見したばかりの新種だそうだ。セキトリイワシ科の最大種で、当該海域の2000m以深で食物連鎖の頂点に君臨する肉食魚ということである。関取のなかで最強なので横綱、という直球ネーミングが潔い。名前にイワシとついているが、私たちが知っているニシン科の鰯(マイワシとか)やカタクチイワシとは関係ないようだ。セキトリイワシの仲間は煮ても焼いても不味い、とどこかで読んだ。

プレスリリースと一緒に7分ほどの解説動画が公開されている(ここ)。前半は環境DNA解析の話で、中盤以降で水深2091mの海底に設置された餌付きカメラの動画抜粋が見られる。深海の暗闇から黒い巨体がヌッと現れ、クワっと大きな口を開けて他の魚を追い払う様子は、度肝を抜く迫力だ。そもそも画面に映るのが全て深海生物なので、「他の魚」だって只者ではないのである。撮影されたヨコヅナイワシは全長2メートル半を超えるというから、人間よりはるかにデカい。映画館の大スクリーンでこの動画を上映したら、半端なホラー映画よりもよほど恐ろしいこと間違いない。

それにしても、日本近海に棲むこれほど巨体の魚がごく近年まで発見されていなかったというのがすごい。深海はまだまだ謎に満ちている。

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