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番外編:突然逝ってしまう [その他]

pose_taiiku_suwari_back_woman.png竹内結子さんが亡くなった。三浦春馬さんのときもそうだったが、TVやスマホの画面ごしの姿しか知らないわれわれ一般人には、俳優として順風満帆のはずなのに突然なぜ、という疑問だけが残る。しかし芸能人に限らず、傍目には幸福な人生のど真ん中にいるような人が、前触れもなく自らの意思で逝ってしまうことが時々ある。

幸運に恵まれた人生が、不安や苦しさと無縁なわけではない。幸せに見えても、心のそこかしこに満たされない隙間を抱えて生きているかも知れない。知的で感性の鋭い人は、内省が深く己に厳しくなりがちだし、才能に溢れた人は、自らに課すハードルが高いぶん容易には達成感を得られない。そうやって知らぬ間に染みわたる自己否定感情は、その源泉が目に見えないから、本人以外には想像もできない。日々がどれほど楽しい瞬間にあふれていても、我に返ったときふと虚しさが頭をもたげる。社会的に成功したり私生活が充実すればするほど、その辛さが誰のせいでもないことが分かるから、胸の奥で静かに疼く疲労感を他人に(たぶん家族にすら)見せない。温かい気遣いのできる人ほど、責める刃が自分に向く。

竹内さんや三浦さんがどうして死を選んでしまったのか、私にはわからないし、もちろん語る立場にもない。ただ、あんなに優しく聡明で才能に恵まれた人がどうして、という声を耳にするたび、それだからこそ人一倍苦しかったんじゃないか、という思いが頭をよぎる。

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