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今週の小ネタ三題 [政治・経済]

飲み会を断らない女こと山田真紀子氏が、断るべきだった飲み会を断らなかったせいで内閣広報官の職を失った。彼女が若者向けに語ったメッセージ動画の中で、幸運を引き寄せる心得として多くの人との出会いを挙げ、飲み会への誘いを残らず受けた自身の体験を語った下りが「飲み会を断らない女」である。男社会のしがらみと闘い、ガラスの天井を突き破る決意と努力がそこに結実したのだとすれば、その飲み会に足をすくわれたキャリアの末路は哀しい皮肉と言うほかない。彼女の生き様に物申すつもりはないが、昭和臭あふれる「飲みニュケーション」の武勇伝が、果たして令和の若者たちの心に刺さっただろうか。

首都圏の緊急事態宣言解除が、2週間延期された。送別会や卒業旅行シーズンに差し掛かるいま、自粛ムードに終止符を打ちたくない行政の思惑はわからないではない。しかし2週間という微妙な区切りに、迷いが垣間見える。今年東京の桜の開花は15日から20日くらいの予報なので、次々と蕾がほころび期待感が盛り上がっていくころに宣言明けが重なる。それまで劇的に感染状況が改善しない限り(その見込みは低い)、花見のピーク期を控えて分科会や医師会がしかめっ面の頬を緩める望みは薄い。そこで見切り発車で緊急事態を解くか、さらに2週間伸ばして桜が散るのを待つか。延長すればするほど、総理の苦悩も飲食・観光産業の窮状も、いっそう深まるばかりだ。緊急事態宣言は始めるより終える方が難しいと以前誰かが言っていたが、言い得て妙である。

namahage_aka.png神戸のゲノム解析によると、コロナ変異株の占める割合が1月以降増大しつつあるそうである。従来株に比べ相対的に感染力が強いのは確かなようだが、新規感染者の総数は減ってきている。イギリスで変異株が初めて注目されたときは、ロックダウンにもかかわらず感染拡大が止まらない原因ではと疑われた。日本国内で変異株が発見された12月下旬から2ヶ月以上経ち、首都圏は緊急事態宣言下とは言え街に人が溢れたままにもかかわらず、データを素直に見る限り日本で感染爆発らしきものが起こる兆候は未だにない(正月明けの感染ピークは変異株とは関係ない)。当初イギリスの研究で感染力は最大7割増しのようなことを言われていたが、少しばかり変異株を買い被っていたのではないか。潜在的リスクがある以上黙殺すべきではないが、変異株は各国政府が意識低い系の衆をビビらせるツールのように使われている気配もある。むずかる子供に「なまはげが来るぞ」と言いきかせるのと、何ら変わらない。なまはげの正体は近所の大人たちだが、変異株もお面を外せば意外に優しい顔をしているかもしれない。

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