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別のパンダの話 [海外文化]

上野動物園の双子パンダ、シャオシャオとレイレイが一般公開を控えている。ただオミクロン株の影響で、当面は抽選の済んでいる3日間だけという話だ。ただし今日書こうと思っているのはその話ではない。

PandaExpress.jpgPanda Expressという米国の中華ファーストフードチェーンがある。短期間でもアメリカに住んでいたことがある人なら、たぶんご存知だろう。ショッピングモールのフードコートなどによく入っていて、店員と対話しながら好きなメニューを選んでいく。サンドウィッチのサブウェイと同じ要領だ。この類の同業他社は多いが、パンダは老舗の一つと思う。中華だからパンダ、というベタな直球ネーミングが潔い。

サブウェイの注文がパンのチョイスから入るのと同じで、まずはベースの炭水化物系を聞かれる。ライス(炒飯)か焼きそばを選ぶが、ハーフ&ハーフと頼むと半分ずつ載せてくれる。おかずは1つか2つ(3つのオプションもあったかも知れない)を選べるコースがあって、欲しいメニューを自由に組み合わせればいい。ちゃちな再生紙か発泡スチロールの皿にてんこ盛りによそってくれ、たいてい焼きそばの端っこが皿から飛び出している。最後にレジで飲み物を選び、お会計をする。

アメリカで暮らす知恵の一つは、外食の際にどこで何を選べば不味くないか(美味いかではない)経験則を蓄積することだ。よほど高級レストランに行くのでなければ、だいたいエスニック料理にたどり着く。メキシカン、タイ、ベトナム、そのあたりは安い店でも致命的なハズレはない。中華はそもそも数が多いので残念な店も少なくないが、米国内どこに行っても出会えるチェーン店なら良くも悪くもクオリティが予測可能だ。個人的には、パンダのカシューチキンとかブロッコリビーフとかが好きだ。ほぼ見た目どおりのわかりやすい味で、安心感がある。感涙するほど美味しいわけではないが、アメリカで気軽に出会えるファーストフードとして何ら不足はない。

一年ちょっと前、住まいの近くにららぽーとがオープンした。そのフードコートに、なんとPanda Expressが入店している。日本に進出しているのを知らなかったので、再会が嬉しい。メニューも懐かしい品揃えで、テンションが上がる。本国のパンダに比べると、味は洗練されている気がするし、ボリュームは明らかに少ない(というかアメリカ標準のてんこ盛りがおかしい)。日本なので行くべき名店は他にいくらでもあるし、油と添加物で健康に悪そうな気もするが、それはそれでいい。Panda Expressとは、ある意味でアメリカという国の猥雑でチープで底知れない魅力の象徴なんだと思う。

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