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日本に来られない留学生の話 [社会]

syukkoku_nyukoku_japan.pngコロナ新規感染者数は相変わらず多いが、増加率は頭打ちになった。東京都では7日移動平均の増加比が100%を切り(都のモニタリングサイト)、下り坂に入りつつある。揺り戻しがないという保証はないが、感染拡大はひとまず山場を超えた気配はある。そんな中、ビジネス目的の入国者や留学生などを対象に水際対策の緩和を検討すると岸田首相が発表した。ようやくか、と少し安堵している。

大学で教える立場にいる人間としては、留学生への配慮が一番気になる。私のところにも、昨年4月に入学したもののいっこうに来日できない博士後期課程の留学生がいる。研究能力もモチベーションも高く、毎週Zoomで進捗を聞くたびにどんどん先に進んでいる。大学の日本語クラスをネットで受講していて、会話のはざまに時々ぶっこんでくる日本語が日々少しずつ上達を見せている。明るく前向きな性格でいつも元気いっぱいだが、日本政府がいったん再開した留学生の入国手続きをオミクロン対策で再停止した直後はさすがにがっかりした様子で、気丈に振る舞う彼女の姿に心が痛んだ。

彼女が住む台湾は日本よりもずっと感染状況は落ち着いているし、本人はワクチンも二回済ませている。日本にやって来る留学生出身国の上位3カ国は中国・ベトナム・ネパールで、いずれの国も直近の人口あたり新規感染者数は日本より少ない(第6波以降は日本と韓国がダントツで東アジアのワーストに躍り出た)。水際対策という点で、日本国内より感染リスクが低い国から来る人たちを一律に入国拒否する合理的な理由はない。日本で学びたいという隣国の若者の熱意を身近に感じる一人として、早く留学生の入国プロセスを再開してほしいと率直に思う。

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