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番外編:ワーケーション? [社会]

nomad_surfing_nangoku.png菅官房長官がワーケーションなどと言い出した。旅先でくつろぎながらリモートで仕事をこなす、というコンセプトらしい。work+vacation=workationという造語センスが和製英語っぽくないな、と思っていたら、アメリカでは10年以上前からあるテレワークの一形態のようである。心身共にリフレッシュする環境で生産性が向上したり、思考が刺激され斬新な着想が生まれたりと、仕事にポジティブな効果が期待できるという。社員旅行と研修を一体化したような試みとして、ワーケーションを会社ぐるみで活用する事例もあるらしい。ただ人によっては、誘惑の多い観光地では気が散って仕事どころではないという向きもあろうか。

仕事に休暇の要素がプラスされるのか、休暇に仕事が侵食してくるのか、で意味合いが全く変わってくる。本来の意図は前者で、ワーケーションは勤務時間中に実施されるべきである。しかし政府主導となると、有休消化の口実としてワーケーションを推奨し、働き方改革の運用実績を上げようという下心も透けて見える。来週はゆっくり有休を取りたまえ、旅先でのんびり羽を伸ばしてきてはどうかね、ただし毎日午前10時からzoom会議だから忘れるなよ、では実質的にサービス残業と変わらない(今どきこんな口の利き方をする上司は半沢直樹の世界くらいと思うが)。

何よりも、GoToトラベル・キャンペーンの延長で出てきた話で、筋が悪い。コロナ禍におけるワーケーションとは、要は感染リスクを伴うテレワークである。そもそも感染拡大回避のためにテレワークが推奨されてきたのに、いったい何がやりたいのか。

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