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番外編:みんなに10万円 [政治・経済]

money_genkin.png国民一人当たり10万円が支給されることになったらしい。麻生財務相が不満げに「富裕層は辞退するのでは…」みたいなことを口走ったせいで、生活に困窮していない人が受け取るのは信義にもとるかという雰囲気が微妙に漂っているようである。一方で、10万円が不要だったら受け取って寄付すればよい、という提案が出ている。または(今は行けるところが少ないが)どんな形であれ消費に貢献すれば経済再生につながる、という意見もある。

要は、国家予算のうち一人あたり10万円の使途が国民の裁量に戻され、各々世の中の役に立つよう考えて使っておくれ、という趣旨だと思えばいいのではないか。自分自身が経済援助を必要としていれば、もちろん生活の糧にすれば良い(人は誰しも「世の中」の一部だから)。そうでなければ、医療支援なり思い思いのところに寄付しても良いし、身近で困っている家族や友人のために使ってもいいし、感染が鎮まった頃に旅行でも飲食でもコンサートでも映画でも内需拡大に貢献してもよい。

受け取り辞退は、誰にとっても得るものがない。国民一律に支給することを前提に補正予算が組まれたわけだから、辞退で発生する余剰分が何に使われるのか不透明だ。閣僚や与党議員は「国民の共感を得られるように」申請しないとかもごもご言っておられるそうだが、こういう機会だからこそ堂々と受け取った上で銘々の考え方に沿って誰かを支援するのが、内閣や議員としての矜持の示し方ではないか。国民の共感などと世間の風当たりばかり気にしているより、よっぽどいい。

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