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象たちは何処へ [動物]

animal_stand_zou.png中国で象の一群が長旅に出て、話題を呼んでいる。中国に野生の象がいるのか、とまずそこに驚いたが、ミャンマーやラオスとの国境に近いシーサンパンナ自治州の自然保護区に、インドゾウの生息域があるそうだ。そこから何を思ったか10数頭の群れが北上を始め、1年以上かけて500kmを超える道のりを踏破した。今は昆明に接近中ということだが、彼らが一路どこを目指しているのか、誰にもわからない。象が棲家を離れかくも長距離を移動するのは前例がないそうで、ゾウの生態に詳しい専門家も軒並み首を傾げている。

象の群れが黙々とどこかに向かっていると初めて聞いたときは、何百頭もの巨体が森をバキバキなぎ倒しながら行進する光景を思い浮かべた。実際にはそんな大群ではないが、なんとなく大海嘯で猛進する王蟲の大群をイメージしたのである。腐海に入るたび防毒マスクが必須の『ナウシカ』の世界は、どこに行くのもマスクが手放せないコロナ禍とどこか通じるものがある。象の一群が旅を始めたのは昨年春ということで、世界で新型コロナの第一波が渦巻いていたまさにその頃である。象はひときわ知的で繊細な動物だというし、彼らなりの第六感で世界の異変を察知したか、と妄想してみたくなる。

『ナウシカ』の大海嘯で蟲たちが南下する先には、シュワの墓所と呼ばれる謎めいた施設がある。その正体は、かつて生命の改変製造すら意のままに操った高度な科学技術の粋が密かに伝わる、ヤバめの極秘機関だ。中国のゾウたちを駆り立てるのが大海嘯の予感だとすれば、彼らが向かう方角にはいったい何があるのか?試しに地図上でシーサンパンナから昆明の少し南辺りまで線を引いて、そのままずっと延長してみる。嘘だと思うならご自分で試してみると良いが、象の群れが目指す遥か先には、あの武漢市がある。

新型コロナが武漢ウイルス研究所から流出したとする説が再燃している。どちらの立場から見ても政治的な匂いが濃厚な話なので、雑音が多すぎて真相はわからない。しかし、仮にそこが私たちの世界に実在する「シュワの墓所」だったとしたら?未曾有のパンデミックといい、謎めいたゾウの大移動といい、今いったい世界で何が起きつつあるのか?人類は「墓所」で神聖不可侵の領域に手を出し、ついに神の逆鱗に触れたのか?

と盛り上げてみたが、象の群れは進路を南に反転したとの情報もある。つまるところ、家族総出でピクニックに出かけたら派手に道に迷い、あてどなく彷徨ううち1年経ってしまっただけかもしれない。今引き返しても家に帰るには更に一年かかるわけだが、彼らが無事に大旅行から帰還する頃には、腐海の臭気にやられたこの世界もすっかり元に戻っていて欲しい。

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