SSブログ

牡蠣とオリンピック [その他]

台風8号が異例のコースをたどり東日本に接近している。偏西風が北に退く夏の台風はもともと迷走しがちだが、日本の緯度までやって来てからこともあろうか西進を始めるケースは珍しい。わざわざ東日本をめがけてやって来ているが、まるで台風がオリンピックを観たくてたまらないかのようだ。はるばる来てもどうせ無観客だと、誰かちゃんと伝えたか?

台風接近のため、オリンピックのボート競技は早々に日程を変更したようである。海上競技は、荒天は言うまでもなく強風で波が立つだけで影響が出る。波と言えば、ちょっと面白い話を聞いた。オリンピックのボート・カヌー会場には、コースに波の侵入を防ぐための消波装置が設置されている。2年前のテスト大会で、海面に浮かぶ消波装置に異変が見つかった。なんと大量に付着した牡蠣の重みで、装置が沈み始めていたのである。やむなく都が牡蠣の撤去作業を敢行したところ、除去した牡蠣は総重量14トン、費用は1億円を超えたそうである。競技場の消波機能は回復したが、そのかたわら五輪組織委は度重なる荒波に見舞われ、こちらの防波堤は残念ながら初めから最後まで沈みっぱなしであった。

kaki.png開催に反対の声をあげていたメディアや野党勢力が、オリンピックが始まるやいなや声援に盛り上がっている、と「掌返し」に苦言を呈する向きがある。そんなにめくじらを立てるほどのことでもない。食あたりが危ないから生牡蠣はやめろと言っていた人が、いざテーブルに出されると美味いとパクパク食べ始めた、程度の話である。調子こいたヤツと思うだろうが、いちいち怒るのも野暮だ。

ぼったくり男爵のことはそのうち皆どうでも良くなるかも知れないが、問題はパンデミックの方だ。極上の生牡蠣でも、そこにノロウイルスがいれば食中毒を引き起こす。オリンピックの熱狂でつかのま浮世の憂いを忘れても、そこにコロナウイルスがいる限り感染はやはり広がる。東京都の感染動向サイトを見ると、ここ数日で発熱相談件数が急増している。発熱相談件数は新規陽性者数に先行して動きがちなので(年末年始の第3波もそうだった)、ちょっと気がかりな予兆ではある。

共通テーマ:日記・雑感