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プリンはどう食べるのが正しいのか [その他]

キナ臭い世界情勢を尻目に、どうでもいい話題を一つ。プリンはどっちが上なのか、という話だ。

sweets_purin.png饅頭やどら焼きのように対称形をしている菓子は別にすると、スイーツは普通上下が決まっている。ショートケーキを逆さに置く人はいない。プリンの場合、カフェなどで頂く場合はふつうキャラメルソースの面が上に来て、富士山型になる。ソースが自然にプリン全体にかかって、多分これが本来の食べ方としては正しい。

一方、コンビニ等で買うプリンはカップに入っているので、カップから出さず逆さ富士状態のまま食べる人が多いと思う。この場合の問題は、キャラメルソースが下面に沈んでいるので、最後の最後まであのほろ苦い甘さに到達できないことにある。これを回避するには、スプーンの最初の一撃でプリンの層に深い穴を穿ち、閉じ込められたキャラメルソースをまず漏出させることになる。邪道のような気もするが、スプーンの先からキャラメルソースが染み出す瞬間は、鉱泉を掘り当てたようなワクワク感がないでもない。

この矛盾を解消するべく発明されたのが、プッチンプリンである。底面に空気穴を開けることで、カップからストンとプリンが落ちる。画期的な発明だ。グリコが取得したこの特許はだいぶ前に期限が過ぎているので、他社が真似してもいい。だが、プッチン以外でこのカップ構造を利用した製品はほとんど見ない。なぜか?

理由はいくつか考えられる。一つは、敢えて二番煎じには走らないという菓子メーカーの矜持。売上には直結しない単なるプライドだが、開発者も誇り高き人間だから実情は案外そんなところかもしれない。二つ目は、カップのまま食べるのが初めから想定仕様になっている場合。カップ入りの焼きプリンは焼き目が表にあるので、そのまま頂くのが正解のように思う。三つ目は、大抵のプリンは空気穴くらいでは簡単に取り出せない可能性。プッチンプリンはぷにぷにと柔らかいが、ふつうプリンはもうすこし固めに作られている。たぶん、プチッと爪を折ったくらいではストンと出てこないのではないか。生半可カップの構造だけ真似しても無駄ということかもしれない。

自家製でプリンを作るときは、アルミ容器から取り出すときにヘリを押さえたり軽く振ったりしながらそっと取り出すと思う。購入したカップのプリンも同じように皿に空ければ良いかもしれない。だがそれなりに高度な技術で、慣れた人でないとプリン崩壊のリスクと隣合わせだ。無残に変わり果てたプリンを皿からすくって食べるよりは、カップから直接食べるほうが気分がいい。プリンをどう食べるかという課題は、敢えてリスクを取るか安定志向に走るか、人生観を試される瞬間でもある。

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